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堺泉北港堺2区の基幹的広域防災拠点
「月月火水木金金」

基幹的広域防災拠点とは、都道府県単独では対応不可能な、広域あるいは甚大な被害に対し、国・地方公共団体が協力して応急復旧活動を行う防災活動の拠点。東京湾臨海部(有明と東扇島地区で1セット)に次いで、平成24年4月、国交省近畿地方整備局が大阪湾堺泉北港に整備した。

先日、堺泉北港の基幹的広域防災拠点を見学した。

場所は「堺浜」とネーミングされた埋め立て地の先端部。

この埋め立て地は、八幡製鐵堺製鉄所が1962年に操業を開始し、65年に高炉による銑鋼一貫体制を確立したところだ。高度経済成長時、同社は高炉スラグや航路浚渫土などを埋め立てて、製鉄所用地を拡張したものの、1980年代には製鉄事業を再編して設備を縮小、1990年には高炉を休止し、大形工場に特化した。内陸寄りでは現在も同社(1970年に新日本製鐵、2012年に新日鐵住金)の堺製鐵所として形鋼を生産している。

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こうして、埋め立てた未利用地と製銑・製鋼設備跡地の233haと、製鉄所へのコークス供給を担っていた大阪ガスのコークス工場も遊休化となり、甲子園球場の約70倍277haの広大な土地が残った。

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大阪府、堺市、大阪ガス等による「堺北エリア開発整備協議会」で土地活用を協議し、まずこの地を人々に知ってもらうことが肝要と、2000年に先端部に「海とのふれあい広場」約16ヘクタールをオープンさせ、ネーミングを公募して「堺浜」とした。実はこのときのイベントをアニマでお手伝いしている(花の苗で堺浜と表示するお花エリアを来場者につくってもらった)。2002年に都市再生特別措置法の「都市再生緊急整備地域」に指定され、商業施設を誘致できる地区計画を6カ月以内という短期間で承認可能となり、商業施設や企業の物流拠点が進出している。シャープ堺工場も2010年に操業を開始した。進出決定当時、尼崎の松下電器液晶工場とあわせて“パネルベイ”ともてはやされた工場はいまや両社のお荷物・・・マスコミの変わり身を象徴するようだ。

さて、基幹的広域防災拠点は「海とのふれあい広場」を含めた27.9ヘクタールの緑地と近畿圏臨海防災センター、耐震強化岸壁、臨港道路で構成されている。臨港道路は、昨年12月に開通した阪神高速湾岸線三宝ジャンクションからの3.5キロメートル。堺方面からの幹線道路(築港天美線)の延長で、この人工島の幹線道路だ。将来は阪高大和川線とも直結する。

堺駅からバスに乗って「匠町」で下車。このバス停はシャープ工場の正門の前だ。

バス停から近畿圏臨海防災センターまでは1.8キロ。山田昭光センター長はバス停から自転車で走っているという。もちろん防災の拠点だから「月月火水木金金」で稼働、365日24時間無人のときはない。センター職員はたった4人なので、近畿地整局港湾空港部職員約90人が交代で夜間・祝祭日勤務している。正月の勤務はやはり、センター長の仕事。山田センター長はすでに2回ここで新年を迎えている。

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